キラキラする瞬間をつかまえる

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右の道を行くか、左の道を行くか? ここで留まるべきか? 行くべきか?

旅に出ると、 人は誰でも、 直感を大事にする。情報は限られているし、すぐに決断を下さないと次に進めないからだ。その直感にしたがって行動したことが、 素晴らしい出会いにつながったり、素晴らしくない出来事につながっていたりする。

面白そうな気がするというだけで行った街で、すごい体験ができたり。 なんとなく立ち寄ったレストランで、一生の友だちと出会ったり。そういうこと、旅をしたことがある人なら、「あるある」と思うはず。

でもその瞬間は何が正しくて、何が間違っているのか、誰にも確かめられない。だって、2つの運命を同時に体験出来ないわけだし。だから、後になってそれが「良かった」のか、「悪かった」のかを決めるのは、自分だ。

そういう意味では、どちらも同じようなものなんだ、とも言える。色々起きることを、能動的に捉えるか、受動的に捉えるか、の違いしかない。

旅で、直感が大事なのと同じくらい、人生でも直感が大事だ。

これも直感だけどw、直感を大事にしている人は、幸せな人生を歩んでいる人が多いんじゃないか?

誰にでも、自分の人生を振り返った時に、どうしてあそこでああいう行動をとったのか、わからないようなことってあると思う。でも、そのときの行動が、人生を大きく変えてしまうことが起きる。

そのとき、自分は答えを知っていたりするんだよね。こうなるんじゃないか、って。

それは、僕にとっては、12年前の、あの日の出来事だった。

知り合ったばかりの女性に、「アパートで友達をたくさん呼んで鍋パーティやるから、来ない?」と誘われたのだ。

冬の晴れたある日、池袋のワンルームアパートで、誰も知り合いのいない僕は小さくなって、準備に忙しそうな男女を見守っていた。

誘ってくれた女性はちゃぶ台の上にガスコンロを置き、火をつけ、土鍋を置いた。野菜と豆腐、白身魚などがはいったザルを持った彼女は、ひざまずき、菜箸でひとつずつ、具材を土鍋に移していく。

その時だ。大きく切った白身魚がスルリと彼女の菜箸から逃れて、使い古した安っぽいフロアカーペットの上にボトッと落ちたのだ。

それは、僕の目の前で起こった。周りの男女も、彼女が白身魚を落としたのを目撃していた。しかし、彼女は、ぴくりとも、1ミリたりとも表情を変えず、まったく何事もなかったように、菜箸で白身魚をつまみ、そのまま鍋に入れたのだ。

その時、私は直感した。

僕は、この子と、結婚する

自分でも、なぜそう思ったか、さっぱり分からなかった。時が止まったように感じた。ただ、静寂の中で、コンロの火はシューと音を立てていた。鍋はグラグラと煮えていた。

あれから10年、私は彼女と結婚して、2人の子どもたちと、千葉県いすみ市に住んでいる。

なぜ僕が結婚を直感したのか、今も理由はわからない。けど、あえて分析してみると、こういうことだ。

人間はできるだけ、自分と違う遺伝子を持つ人と、子どもをつくろうとするそうだ。そのほうが、子どもは強くなり、生き延びる可能性が高いからだろう。

彼女が表情一つ変えずに魚を鍋に入れたとき、僕は、自分と違う遺伝子を感じたのだ。

普通、こういうことがあったら、周囲を見渡して、苦笑いくらいするもんだ。せめて、白身魚を台所まで持って行って、水で洗ってから、鍋に投入するだろう。

しかし、彼女は違った。明らかに、僕の遺伝子では、取らない行動だ。

僕の家系は、創造力に優れた人は多いかもしれないけど、たくましく生きる力に優れた人は多くない、かもしれない。僕は、彼女の表情に、行動に、「生きる力」を感じたんじゃないか。その表情をみた瞬間、彼女が今まで生きてきて、身につけたいろいろや、持っている考え方、背負っているいろいろまで、一瞬で感じた。ような気がする。たぶん、それがそう直感した理由だろう。そうとしか思えない。

そう。そのとき、自分は答えを知っているんだよね。

なにか、キラキラした何かを感じがしたら、それが正解だ。一瞬垣間見える、未来。なんか、起きそうな気配。なにかが降りてくる瞬間。そういうとき、周りがキラキラ光ってる。

そのキラキラは、日々忙しいと、見えなくなるんだね。情報過多で、頭でっかちだと、鈍ってくる。大事なことを、大事な瞬間に、決断する余裕をもっていないといけないんだな。

そのキラキラする瞬間を、捕まえられるかどうかが、人生のすべてなのかも。

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