羊さん、さようなら

TOKYO URBAN PERMACULTUREツアー2014の旅の様子を綴るみりにこぱぱのしぜんのぼうけんのにっきの3本目です。

前回、ブロックスパーマカルチャー農園ではじめての朝を迎えた僕たちですが、午後は昨年度の研修生だったエメットとブルックが、農園の近くで暮らしているということで訪ねて行きました。

DSC_9277まずは自己紹介。

DSC_9279これが、彼らの仮住まい。土地は借りているそう。虫や台風が多い日本では考えられない構造ですが、ワシントン州北部は、西海岸だから台風も少ないし、とくに夏季は降雨量が少ないんですね。

DSC_9296単管をつかってつくられた大きな屋根の下にキッチン、ベッド、DIY道具置き場、ワークショップ、食料貯蔵庫などすべてが収まっています。天井からは玉ねぎ、にんにくなどがぶら下がっています。

DSC_9297こちらはキッチン側。冷蔵庫、洗濯機、明かり、ステレオ、ミキサーなどもあって、わりと便利な暮らしをしているっぽい。工具類も含め、電気は自家発電でまかなっているそうです。

DSC_9300走り回るレポーターみり。

DSC_9280そしてこちらが建設中のタイニーハウス。ベースのトレーラーは中古のボロを200ドルで購入、近所の製材所から出る木の端材のみを使用して、この時点でかかったコストは、1000ドル(10万円)以内とのこと。いいなぁ!

DSC_9285すごいのは、日本では一般的な軸組工法を用いて、2×4の金具や、クギは一切使っていないそうです。上はロフト。

DSC_9304すごい。ちゃんとしています。

DSC_9302軸組について熱弁を振るうエメット。

DSC_9305丁寧!!

DSC_9292今後別の場所に引っ越しできるよう、公道を走れるサイズ(幅2.5m、高さ3.8m)に収めてつくっているそうです。オーカス島を出て行くことになったら、フェリーに乗って引っ越すかもしれないと言っていました。すごいですね。

DSC_9295「仕上げはこうするつもりなんだよ。これもすべて古材なんだ」と話すエメット。ピンクパンサーの板は断熱材で、これはホームセンターで買ってきたそうです。にこレポーターも真剣に聞いています。

DSC_9307薪ストーブもガレージセールでゲット。

DSC_9313みんなタイニーハウスに興味津々。

DSC_9321こちらは近くの築100年以上の小屋。シブい!

DSC_9329エメットとブルックは、羊を20頭ほど飼っています。森のなかで暮らしている彼らは、パーマカルチャーの考え方をベースに、草を食べて糞をする羊を使って、人間と自然が共生する生態系をつくっていくことを目指しているそうです。

DSC_9332メーメー。

DSC_9352(1)来客に興味津々。

DSC_9335まずは羊の柵の中で30分ほど過ごします。これは、羊たちにリラックスしてもらうため。

DSC_9362さて、羊さんを収穫します。今回は2頭の命をいただくことになりました。エメットとブルックから、彼らにとって羊は大事な仲間であり、どのように共に生きているかという話をしてくれました。また、命をいただく前に、羊に敬意をもってほしいこと、そして今回の収穫のやり方について話してくれました。そしてみんなで黙祷をして、座りました。

DSC_9363収穫する羊を選びます。

DSC_9365選ばれました…。

DSC_9369すぐとなりに寝かせ、四肢を抑えながら、喉にナイフを突き立て、一気に頸動脈を切ります。

DSC_9373動かなくなるまでに、数分でしょうか。命を絶たれた羊のまわりで、何事もなかったかのように、草をはんだり、様子を見に来たり。昨年は収穫する羊を群れから引き離し、別なところで殺したそうですが、引き離された羊も、残りの羊も、大変な苦しみを味わったそうです。羊は社会的な動物で、引き離されることが最大の恐怖だそう。そこで今年からは、こうして収穫することにしたそうです。

DSC_9377つさっきまで生きて動いていた羊の命が絶たれ、動かなくなる。僕たちが食べるために、別の命を終わらせたわけですが、なにかドラマティックなことと、のどかな森のなかの日常が重なりあって、なんだかとても不思議な時間でした。

DSC_93792頭目も、淡々と。聞こえるのは、鳥のさえずりと、風の音だけ。

DSC_9380天に召された羊さん。

DSC_9383(1)こちらは昨年の研修生、イタリア人のサンドロ。サンドロは羊農家の息子。子どもの頃から羊と生きてきた男として、みんなが口にするすべての肉には、かつて生きていた時間が流れていて、敬意をもって食べてほしい、と言っていました。それにしてもサンドロ、男前です。

DSC_9384「殺す瞬間は、本当に嫌な気持ちになる。けど、それでも羊と一緒に生きていくつもり」と語るエメット。

DSC_9386こちらは大家さんのお家。これも来年で築100年だそうです。

DSC_9389農場に戻ってきた僕たちは、自転車置き場で羊2頭の解体を始めました。1頭目は空気入れ方式。足の皮膚を切って、自転車の空気入れを入れて、シュポシュポと空気を入れます。

DSC_9398みりも挑戦。このあと、びっくりするくらいパンパンに膨らみました。これによって、皮と筋膜の間が分離しやすくなるとのこと。

DSC_9400もう1頭は、頭から吊る方式。

DSC_9401サンドロは、足から吊る方式。2つの方式の違いを実演してくれました。

DSC_9405皮をどのようにつかいたいのかで、開き方が変わってくるそう。

DSC_9406どんどん進みます。

DSC_9409内蔵を取り出します。血がどばーっと出るのかと思ったら、まったく出ません。

DSC_9411こちらは心臓。「日本でも食べるんだって?おいしいよね」とのこと。一般に西洋社会では内蔵は気持ち悪いと思う人が多いと思いますが、ブロックスで出会った人たちはみんな、自分たちでとって、すべての部位を美味しく料理していただくそうです。

DSC_9413次は肺。ふくらませて……。

DSC_9418肺だ! 実演してくれました。

DSC_9425こちらは、膵臓?

DSC_9427内蔵を保護する脂肪の膜。

DSC_9429こちらは肝臓。黄色は胆嚢。取り除かないと、ものすごく臭みが強いそうです。

DSC_9373僕自身は、家畜の命の収穫に立ち会ったのは、4回目ですが、にわとり以外は、初めて。印象的だったのは、エメットとブルックの、羊たちへの尊敬。どういうふうに収穫することが、彼らの尊厳を守ることになるのか?ということを真剣に考えていたのが印象的でした。また、日々肉を食べている自分ですが、動物の収穫を自分でできるのかと言われると、これはなかなかできないなぁ、と思いました。

もう一つ感じたのは、収穫のプロセスで、ほとんど血が出なかったこと、内蔵が美しかったことです。人間とほぼ同じ構造になっていて、本当に近い「仲間」を食べているんだな、とも思いました。サンドロ曰く、「羊の殺し方がわかったら、人間も殺せるんだよ。怖い考えだけど、命ってそういうことなんだ」と。

にことみりに「どうだった?」と聞くと、にこ「怖かった」みり「かわいそうだった…」という反応。みりは「お肉がこうやってできているんだってことがわかった」「お肉に感謝しないとって思った」ということでした。

午後をまるまるとつかって、ゆっくり命について感じたり、考えたりできて、とても良い学びになりました。いろんなことに感謝です。

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