街なかで食べ物を自給する暮らし。たった3軒のエコビレッジ 「フォスタービレッジ」

TOKYO URBAN PERMACULTUREツアー2014の旅の様子を綴るみりにこぱぱのしぜんのぼうけんのにっきの10本目です。

今日は、住宅街の家、3軒が集まってつくったエコビレッジ「フォスタービレッジ」を訪ねました。街なかで、たった3軒でエコビレッジ……どんな暮らしをしているんでしょうか?

Foster Village(フォスタービレッジ)は、ポートランドのダウンタウンから北西にクルマで15分くらい走った住宅街の中にあります。

fostervillage外観はこんな感じ。ビレッジと言っても、たった3軒の家、11人が住んでいます。

DSC_1132フォスタービレッジを道路側、外から見たところ。住宅というか、ほぼジャングル。PESTICIDE FREE ZONE(農薬不使用地区)の看板が見えます。

DSC_1135門と看板。

DSC_1136門には、もちろんぶどうが。

DSC_1056案内してくれたのは、フォスタービレッジの住人でもある、Jonathan Brantさん。(アップで撮り忘れた…)

DSC_1115こちらが1軒目のグレーの家。

DSC_1055フォスタービレッジは10年ほど前、自然建築を仕事にしているカップルが、この家に賃貸で引っ越してきたところから始まりました。

DSC_1114こちらが2軒目の、紫の家。6年前に売りに出て、友人が購入したことから、1軒目も購入に至ったそうです。

hr_0361_992_390__03619923900203軒の家の間は共有の場所になっていて、畑、コンポスト、養蜂、アヒル、にわとりがいる小さな畑を3軒が共同でやっています。

DSC_1112こちら、庭の掲示板にある、ビレッジの全体図。

DSC_10591軒目の玄関から隣の2軒目を見たところ。2軒の間のフェンスを取り払って畑にしました。フェンスポストが残っていますね。

DSC_1058はじまる前の風景は、こんな感じだったそうです。ハンマーでアスファルトを剥がしたとか。

DSC_1113こちらが最後に加わった3軒目のストローベイルの家。5年前、土地を購入してストローベイルハウスを建てました。この郡ではじめて建てられたストローベイル建築だそうです。

DSC_1065グレーの家には、台所の排水をジオフィルターで浄化して、畑に還元するシステムをDIYしてあります。写真左の方にある、横に倒した白いプラスチックの樽がそれです。右のほう、スコップの下あたりの壁から黒いパイプが出て、左にあるシステムにつながっています。スコップの下あたりが、台所のシンクの下です。塩ビパイプを切って、外につなげてあります。かなりアナログ。こんなので、いいんですね……。

DSC_1066ジオフィルターに近づいてみたところ。中には砂、石が入れてあって、湿地帯に生えているような水草を生やしています。現状は、一番下の赤いバルブについたホースで、必要に応じて、あちこちの畝に水を供給しているそうですが、将来的には手前上の太くて黒いL字パイプを伸ばして地下に埋設して、各方面の畑に水を供給する予定だそうです。

DSC_1061一次水受けは、ナナメに置いたプラスチックのバケツ(笑)。ウッドチップが入っていて、排水口の網を通ってきた油脂や食べ物のカスなどがたまる仕組み。ウッドチップは、栄養たっぷりのコンポストとして活用するとか。

DSC_1128グレーの家の横にある雨水タンク。屋根の排水を溜めて、洗濯に使っています。165ガロン(625リットル)溜められるそうです。冬はたくさん雨が降るのでほぼ雨水で賄えるとか。

hr_0361_980_884__0361980884020地下にある洗濯場。タンクからの水をホースで必要な量だけ流します。実に簡単。こんなんでいいんだね。

DSC_1148同じくグレーの家の地下にあるシャワー。シャワーの排水、手洗いシンクの水、洗濯機の排水は、庭のチェリーの木、梨の木、桃の木とまわりのガーデンに行くようになってるそうです。3軒とも排水はガーデンにつながっているとか。排水が出るところには、穴を掘ってウッドチップを埋めるジオフィルターになっています。ジオフィルターのまわりはウッドチップがどんどん土に変わっていきます。常に湿っていて、栄養と水分を補給してくれるというわけ。んー、とてもシンプル。とにかく楽をするようにできています。

ちなみに、家の中にバルブがあって、下水に振り向けることもできるようになっています。雨が続いて土壌の水分が多すぎるときなどには下水に流すそうです。

DSC_1149お風呂場も全部DIYです。いいなぁ。

DSC_1150普通の水洗トイレの横に、コンポストトイレの箱があります。用を足したら、手前のおがくずを1〜2すくい、かけます。

DSC_1071ここは上の写真でアスファルトだったところ。アスファルトを剥がした後、作物を育てる良い土の層が薄かったため、藁、ウッドチップ、コンポストなどを、有機物をたくさん入れて、かぼちゃ、トマト、豆類などを植えて、土づくりに取り組んでいるそうです。ちょうど訪ねた時期は夏の終わりで、これから冬に向かって、窒素を固定するカバークロップスと呼ばれる草を植えるとか。もうひとつ、土を作る方法として木を土の中に埋めて、ヒューゴカルチャーという手法も。

種について聞いたところ、種を買うときは、遺伝子組み換えでない、自然受粉のタネを買うように努めているそうです。また、できるだけ自家採種するようにしています。近隣には大規模な農家もないので、遺伝子組み換え花粉が飛んでくる心配はないとのこと。

畑は、一年草から徐々に、ベリー類、果樹などの多年草植物を増やしていっているそうです。管理が簡単だし、GMOの汚染にも気にしなくていいから、とのこと。らくちんに食べ物を収穫するには、多年草植物をどう活かすかが、肝なんですね。

DSC_1073ねこ。たくさんのお客さんにびっくりしちゃったかな?

DSC_1075いちぢく。ポートランド、シアトルで訪ねた、どの家に行っても、ありました。

DSC_1116こちらが、フォスタービレッジのコンポストシステム。どんどん重ねたり、外していけるモジュール式(3段ずつ)になっていて、3軒、11人分の食べ残し、野菜くずなどはもちろんですが、コンポストトイレのうんちも入れています。3軒とも、おがくずを入れるバケツ式のコンポストトイレを使っていて、うんちをしたら、バケツの中におがくずをかけておきます。1週間に1回、バケツを持ってきてコンポストに入れます。その後、上に木くず、落ち葉などでカバーします。1回捨てたら、1週間は同じスタックに入れないそうです。投入直後は発酵による発熱で、最低でも55℃(外気温は25℃くらい)以上になるとか。

空けたバケツは、洗剤とブラシで洗って、家の裏にもっていく仕組みだそうです。

DSC_1080積み上がった堆積物は、6か月で天地返しして、6か月寝かせて、合計1年寝かせます。できあがった土(さわってみたところ、本当にいい感じの「土」)はベリーや果樹などの多年草に使って、根菜類、野菜類には使いません。

なるほどなぁ。やってみないとなんとも言えないけど、具体的に運用方法も聞けて、イメージが少し湧きました。

DSC_1130ここから、ストローベイルの家に入っていきます。

DSC_1089靴を脱いで入るアジア式。

DSC_1092ストローベイルとは、稲わらブロックのこと。熱を遮断する断熱性、熱を蓄える蓄熱性が高く、夏の間は涼しく、冬は温かい建物になります。構造は木造で、壁の仕上げはしっくい仕上げ、床はわら、粘土、砂を混ぜた土間です。

屋根にはソーラー発電パネル、太陽熱温水器を設置、太陽熱でお湯をつくって、床下暖房に使っています。手前の屋根は、軽量の土が載せてあって、植物が生えています。

DSC_1094窓の横をみると、壁の厚みがすごいですね。壁の部屋側から窓枠までで50cmくらいはあります。

DSC_1103これが、「真実の窓」。壁の中になにが入っているかが、見えます。

DSC_10972階に上がってきて、シャワールーム。漆喰壁です。

DSC_1100きれいに作ってあります。

DSC_1099コンポストトイレ。便座の下にはバケツが入れてあるだけです。右のオレンジ色のバケツにはおがくずが入っていて、用を足したらおがくずをかけます。トイレの右のかごに入っているのは「ピーラグ」と呼ばれる、おしっこを拭く布。拭いたら、プラスチックのケースに入れます。選択して再利用。ピーラグに抵抗がある人のためにトイレットペーパーもあります。置いてある本は、The Humanure Handbook(うんち活用ハンドブック)第3版。まだ日本語にはなっていないですが、パーマカルチャー界隈というか、コンポストトイレ界のベストセラーです。誰か日本語訳出さないかなー?

DSC_1101手洗い場。

DSC_1102天井を見上げて。屋根の厚みがすごい。窓枠までで80cmくらいか?ストローベイルが入っています。

DSC_1105階段。手すりもかわいいです。

DSC_1107流木かな?

DSC_1109rキッチンと、この家のオーナー、Mattさん。料理が好きな人たちのキッチン、という感じですね。ここの料理が食べてみたい。

DSC_1108庭で収穫した豆がたくさん。なんだか、とっても豊かだなぁ! 自然のちからを最大限活かしてつくりだす豊かさは、本当の豊かさですね。

DSC_1111(1)3軒の真ん中に位置している、焚き火場。

ここで、案内してくれたジョナサンさんに、コミュニティの話を伺いました。

フォスタービレッジは、はじめから大きいコミュニティを目指していたわけではなく、だんだんと有機的に大きくなってきたそうです。

このコミュニティが目指していることとしては、「地球を大事にする暮らし」。食べ物を作ること、災害に備えること、リサイクルすること、コンポストすること、雨水を溜めることなど、地球(土地)の面倒をみること。そしてもうひとつが、「豊かな関係性をつくる暮らし」。人と人の関係だけでなく、動物たち(アヒル、にわとり、蜂)と人、動物と植物、植物同士の関係を豊かにして、そこからできるだけ豊かに収穫することを目指しているそうです。

人と人の関係性で言うと、毎週1回のミーティングを行っていて、半分が「マインド(意思)ミーティング」と呼ばれる、ビレッジの運営、事務のためにビジネス、ロジスティクス、お金について話し合います。もう一つが「ハート(心)ミーティング」で、住んでいる人と人を感情で結びつけること、理解しあうこと、良いファシリテーターになるために学んだり、対立を乗り越えるための非暴力コミュニケーションを学んだり、そういったことを大事にしているということでした。

コミュニティで行ういろいろな共同作業を大事にしていて、食事もそのひとつ。1週間のうち、5日間(日曜日から木曜日まで)の夕食を共にしています。それぞれの家が食事担当をして、家を回りながら食べます。食事は、コミュニティをまとめるのに重要なんですね。

それから、友だちを呼んでのパーティもよくやるそう。この写真のファイヤーサークル、ピザ窯でピザパーティをしたり、毎年、ハロウィンパーティを開催しているそうです。

共同の作業もさまざま。食べ物を収穫したり、保存食に加工したり、他の畑や果樹で、収穫しきれない収穫したりも。

そういう、余った野菜や果物を収穫するのをGleaning(落穂ひろい)といいます。近所の農家、果樹を管理しているNPOなどと仲良くなって、よくもらいに行くそうです。そうやって、豊富さを分かち合います。

ポートランドでは、近所で管理しきれない/取りきれない果樹の果物を、みんなで収穫するPortland Fruit Tree Projectという活動もあるそうです。面白いな。

コミュニティのカタチとして、住人はどのように住んでいるか?という質問に対しては、住人は全部で11人、それぞれの家の所有者はいますが、残りの7人はシェアハウス形式で入居していて、空きが出ると、募集をかけて面接して決めるそうです。このコミュニティでの生活をしたいという意思や、コミュニティから学びたいという意志を持っているかどうかを見極めて選ぶそうです。

今後は、家と土地を、共同で所有していく仕組みも、話し合っているとか。

DSC_1119こちらが、コブピザ窯。コブというのは、砂、粘土、水と藁をまぜた塊という意味。よく見るとたこの形をしています。

DSC_1123裏庭の、パティオ。いい逃げ場所になっています。コミュニティで住むには、こういう場所も大事なのかも。

DSC_1129パティオの上にはぶどう。とにかく、どこを見ても、食べられる果樹があります。

DSC_1137にわとりとアヒルのうち。

DSC_1143にわとり2羽、アヒル7羽飼っています。

DSC_1144子どもが追いかけまわしたせいか、アヒルの姿は見当たりませんでした。

DSC_1077にわとり小屋の屋根の上は、小屋を快適な温度に保つため緑化されています。ミクロ気候的には寒暖の差が激しく、乾燥しがちのため、砂漠っぽい植物を植えています。

DSC_1124小屋。何のための小屋かは聞かなかったけど、今は荷物置き場になっている感じでした。

DSC_1067木陰に、最近はじめたという養蜂の巣箱があります。コロニーは2つあるそうです。畑の作物の受粉をしてもらうことと、はちみつをとることを目的にしていますが、まだはちみつを取るには至っていないそうです。

DSC_1138タワーマンション風ですね。

DSC_1141はちが忙しそうに出入りしていました。あー蜂飼いたい。

DSC_1147リラックスするツアー参加者のMataさん。思わずリラックスしたくなる、すばらしいビレッジでした。

今までで見た中では、一番自分の暮らしの近いコミュニティだと思いました。真似できそうなところがたくさんあります。

たった3軒でも、すばらしいコミュニティはできるんだな、というところが最大の学びだったと思います。

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